十一話第一章 聖都

レイン「いよいよ、魏との決戦ですね」

レインは10m先の(ふもと)に聖都を見ながら言った。

レイド「そうですね。ですが、我々は本陣で待機ですけどね」

レイドはそう皮肉を言った。

レイン「いや、解ってますけど。一応言っただけなんですが」

レインは苦い顔しながら言った。

武「それにしても、凄い数だな」

武は聖都を見下ろしながら言った。

レイン「確かになぁ、これでこそ敵の本拠地って感じだな」

レインはそう言いながら、麓を見た。

聖都への入り口には、大量のモンスターと機械(オート)兵器(マター)が配備されていた。

アルフ「まぁ、ここからだと良く見えないけど」

アルフはそう嫌味を言った。

レイン「お前、本当に嫌な奴だな。影薄いくせに」

レインは淡々と言った。

アルフ「影が薄いのは関係無いだろ」

アルフはそう怒鳴った。

神無「・・・大丈夫・・・いつもちゃんと居る事に気付いているから」

神無はそうフォローした。

アルフ「ありがとう」

アルフは涙目でお礼を言った。

フレイ「あの二人、本当に仲が良いな」

フレイはそうレンに語りかけた。

レン「学校の図書室で毎日顔合わせてますしね」

レンは笑いながら言った。

武「でも、はたから見ると付き合ってる様に見えなくもないんだよな。(ってか、いっそ付き合ってくれた方が俺の負担は減るかもなぁ)」

武は遠い目をしながら最後の方は小声で言った。

レイン「まぁ、そろそろアイテム補充して配置に付いた方がいいんじゃないか」

レインはそう話しをそらした。

レイド「それもそうですね。作戦開始の時刻まであまり時間はありませんし」

レイドは笑いながら言った。

数分後

アーク兵「エルム隊長、総員配置につきました。作戦開始の号令を願いします」

アーク兵は敬礼をしながら、エルムに言った。

エルム「了解した。総員戦闘開始」

エルムは全体にそう号令を出し出撃した。

兵隊達「わぁーーーーー」

兵隊達もそれに続いて出撃した。

エルム「連凱刃(れんがいじん)

この技は相手の防御力を無視して剣で連続できる技である。

メイス「・・・・・」

これはメルガと同じ人型機械兵器である。

メイス「ミサイル発射」

メイスは腕からミサイルを発射した。

エルム「はぁーー」

エルムはミサイルを避けてメイスを真二つに切り裂いた。

エルム「全軍(ひる)むなぁ。突き進め」

エルムは機械兵器やモンスター達にてこずっているほかの兵隊達に渇をとばした。

その後しばらくしてエルム達は城内に突入した。

エルム(妙だ。先程から戦うのは機械兵器やモンスターばかりだ。敵兵が見当たらない)

エルムは城内や聖都都内・入り口・城門の守護しているのが、機械兵器やモンスターばかりである事に違和感を感じ始めた。

エルム(・・・しまった。罠だ)

エルムは罠である事に気がついた。

エルム「総員撤退。これは、罠だ。奴らの狙いは本陣だ。急げーー」

エルムは急いで撤退命令を出した。

???「させるかーー」

そう叫びながら後から鞭でアーク兵を突き飛ばした。

槽卓「悪いがここから先は通行止めだ」

槽卓が城の置くから他の三将と共に表れた。

エルム「構うな。総員撤退」

エルムは三将のいる方向と進行方向が逆のため、再度撤退命令を出した。

リサ「・・・」

リサが無言で指を鳴らとエルム達の進行方向に毒蜂が天井から降りてきた。

槽卓「だから、言っただろ。先は通行止めだって」

槽卓はそう笑いながら、地面に鞭を叩き付けた。

モンスター達「うぉーーーーん」

鞭の聞きつけた城内のモンスターが集まってきた。

奉遷「さてと、この戦が終わるまで、我らの相手をしていただこうかのう」

奉遷はそう言って戦闘体制に入った。そして、いつの間にかゴーレムや機械兵器まで集まっていた。

 

続く